風信
ふうしん
名詞
標準
文例 · 用例
棲む人達は子供等は、街上に見えず、僕に一人の縁者なく、風信機の上の空の色、時々見るのが仕事であつた。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
夜すがら温き春雨に、 風信子華の十六は、黒き葡萄と噴きいでて、 雫かゞやきむらがりぬ。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
すると気象台の風力計や風信器や置いてある屋根の上のやぐらにいつでも一人の支那人の理学博士と子供の助手とが立っているんだ。
— 宮沢賢治 『風野又三郎』 青空文庫
その雲の上には風信子石のような星が唯一つ、淡く光っているが、やがて日が沈みきると一緒にダイヤモンドのようにキラキラと輝くのであろう。
— 国枝史郎 『レモンの花の咲く丘へ』 青空文庫
すると、間もなく屋根の上に風信機を頂いた小さな円頂閣のある、そして、その円頂閣に鐘の下がっている、どす赤い煉瓦の館へ近づいて行った。
— A CHRISTMAS CAROL 『クリスマス・カロル』 青空文庫
風信旗(一方に向きて。
— FAUST. EINE TRAGODIE 『ファウスト』 青空文庫
支那語では風信子(と字を書いてみせて)といふのでせう。
— 神西清 『灰色の眼の女』 青空文庫
しかく宣んしてクロニオーン神女を腕に抱き取れば、大地は下に聖くして新たの草花生ぜしむ、露を帶びたるロートスと番紅花及び風信子、厚くてしかも柔かに地上離れて神支ふ。
— ILIAS 『イーリアス』 青空文庫