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靴先

くつさき
名詞
1
標準
文例 · 用例
私は裏庭の竹垣を靴先でからからと撫でたりしながら彼を待つてゐたのであるが、たうとうしびれを切らして、ズボンのポケツトに兩手をつつ込んだまま泣き出した。
太宰治 思ひ出 青空文庫
彼女の軽快に床を踏む靴先で私達の心臓にパミルの隧道をつくるぐらいは訳ないことなのです。
吉行エイスケ 孟買挿話 青空文庫
シャンパンのキルクがボーイの鉤鼻から落下すると私のパートナアが横目をつかってボーイに現金で酒代とチップを渡すように催促して別に靴先につける天花粉の代金十|仙を請求する。
吉行エイスケ 孟買挿話 青空文庫
自分は酔って銀座裏を、ここはお国を何百里、ここはお国を何百里、と小声で繰り返し繰り返し呟くように歌いながら、なおも降りつもる雪を靴先で蹴散らして歩いて、突然、吐きました。
太宰治 人間失格 青空文庫
どこかでフォルクダンスのレコードがこどもの靴先に挑みかける間拍子の弾み切ったのが聞える。
岡本かの子 百喩経 青空文庫
」 くどい、と云はないばかりに云つて、やうやく苛立つて來たふうで、靴先で地面をコツコツ蹴りながら、「何だ、二十本ぐらゐ。
島木健作 生活の探求 青空文庫
ただ、私は貞子の靴先を見ただけである。
佐左木俊郎 秋草の顆 青空文庫
貞子の靴先は、夜露のためしっとりと濡れていた。
佐左木俊郎 秋草の顆 青空文庫