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来たり迫る

きたりせまる
動詞
1
標準
文例 · 用例
早く解いて流した紅の腹帯は、二重三重にわがなって、大輪の花のようなのを、もろ翼を添えて、白鷺が、すれすれに水を切って、鳥旦那の来り迫る波がしらと直線に、水脚を切って行く。
泉鏡花 神鷺之巻 青空文庫
私はこれを日本国民が二千年来この生を味うて得た所のものが間接の思想の形式に由らず直ちに人の肉声に乗って無形のままで人心に来り迫るのだ」とあるは二葉亭のこの間の芸に魅入られた心境を説明しておる。
内田魯庵 二葉亭余談 青空文庫
内、自ら解体せむとする政府を率ゐ、外、猛然として来り迫る革命の気運に応ぜむには、先、近畿の禍害を掃蕩するの急務なるを信じたるが為めのみ。
芥川龍之介 木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌) 青空文庫
彼が、困憊、衰残の政府を提げて、驀然として来り迫る革命軍に応戦したるを見る、恰も、颶風の中に立てる参天の巨樹の如き概あり。
芥川龍之介 木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌) 青空文庫
革命軍の鋭鋒、当るべからざるを聞ける宗盛は、是に於て、舞楽の名手、五月人形の大将軍右近衛中将平維盛を主将とせる、有力なる征北軍を組織し、白旄黄鉞、粛々として、怒濤の如く来り迫る革命軍を、討たしめたり。
芥川龍之介 木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌) 青空文庫
退いて洛陽に拒守せむ乎、鞍馬の頑児と、蒼髯の老賊とが、※鼓を打つて来り迫るや知るべきのみ。
芥川龍之介 木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌) 青空文庫
而して彼、法皇に奏して曰「東賊、既に来り迫る、願くは竜駕を擁して醍醐寺に避けむ」と、法皇従ひ給はず。
芥川龍之介 木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌) 青空文庫
窓を推して見ると、亡霊の海波が悲愁の色を含んで、層々として来り迫るもののようです。
無明の巻 大菩薩峠 青空文庫
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