一番鶏
いちばんどり
名詞
標準
first cockcrowing
文例 · 用例
その鍋を火山の火にかけて一晩おいた後に一番鶏が鳴いたら蓋をとってみようと思っている。
— 寺田寅彦 『厄年と etc.』 青空文庫
小半刻も経ってから彼女は怖々のぞいて見ると、白いまぼろしはいつか消えていて、どこかで一番鶏の鳴く声がきこえた。
— 奥女中 『半七捕物帳』 青空文庫
清逸はしんとした心の中で、孵化場あたりから来るらしい一番鶏の啼き声をかすかに聞いたように思った。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
お媼さんは、七輪の焚落しを持っていらっしゃる、こちらへと、使者を火鉢に坐らせて、近常さんが向直って、(阿母、一番鶏が鳴きました。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
声高しと押止めて、眼を見合わせ少時無言、この時一番鶏の声あり。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
さてはほんとに耳が潰れたかと思っていますと、そのうちに、「コケッコーコーオ」 と一番鶏の声がきこえました。
— 夢野久作 『豚吉とヒョロ子』 青空文庫
一番鶏の声がきこえるくらいなら耳は潰れていないのだな。
— 夢野久作 『豚吉とヒョロ子』 青空文庫
――妾が隣の祖母様は、きつい朝起きぢやが、この三月ヶ程は、毎朝毎朝、一番鶏も啼かぬ間に怪い鳥の啼声を空に聞くといふし、また人の噂では、先頃摂津住吉の地震強く、社の松が数多く折れ倒れたといふこと……。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
作例 · 標準
例句1
例句2
例句3
例句4