夜光虫
やこうちゅう異読 ヤコウチュウ
名詞
標準
Noctiluca scintillans (luminescent species of dinoflagellate)
文例 · 用例
夜光虫は私たちに一言の挨拶もせず、溶けて崩れるようにへたへたと部屋の隅に寝そべった。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
私は現代が、夜光虫と欧羅巴スタイルのグランド・ホテル・ド・横浜のダンシング・ホールと空中の軽業だと断定する。
— Love on Drought 『恋の一杯売』 青空文庫
皺だらけの私の寝室をノックする音がして、暗闇から出た女の手が、楕円形の天井をみつめていた私の目前で葡萄蔓のようにからんで、青いリノリウムのうえにMELINSの扱帯が夜光虫のように円をつくると、私は断截された濡れた頭髪を腕の中に感じて、いつのまにか恋愛のマッフのなかに、ひとときの安息を求めた。
— 吉行エイスケ 『大阪万華鏡』 青空文庫
夜光虫が美しく光る海を前にして、K君はその不思議な謂われをぼちぼち話してくれました。
— ――或はKの溺死 『Kの昇天』 青空文庫
大国主神が海岸に立って憂慮しておられたときに「海を光して依り来る神あり」とあるのは、あるいは電光、あるいはまたノクチルカのような夜光虫を連想させるが、また一方では、きわめてまれに日本海沿岸でも見られる北光の現象をも暗示する。
— 寺田寅彦 『神話と地球物理学』 青空文庫
このごろでは「夜光虫ノクチルカ」その他の発光動物に関するものを捜しているが、まとまった手ごろな本はまだ見つからない。
— 寺田寅彦 『錯覚数題』 青空文庫
われわれ夜光虫派はもっとでかいスリルのあるやつを賭けようじゃないか」「ええ、スリルのあるやつ賛成ですな」 鶴雄は小田という男、案外話せるぞと思いながら言った。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
「――しかし、今われわれ夜光虫派とおっしゃいましたが、僕はデカダンス派の仲間入りはごめんですよ」「そりゃ自由だ。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
作例 · 標準
夏の夜、船が通った後の波に夜光虫が反応して、キラキラと光っている。
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赤潮の原因にもなる夜光虫だが、暗闇で見るその光は非常にロマンチックだ。
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海中を泳ぐ魚の動きに合わせて夜光虫が光り、魚の影が浮き彫りになった。
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