迸出
へいしゅつ
名詞
標準
文例 · 用例
迸出の新鮮さといふ点からいふも、美の美しさといふ点からいふも、彼女の詩は後世が呼んで『純粋状態』の詩といふものに該当してゐる。
— 中原中也 『デボルド―※ルモオル』 青空文庫
それが皺曲や断層やまた地下熔岩の迸出によって生じた脈状あるいは塊状の夾雑物によって複雑な構造物を形成している。
— 寺田寅彦 『地震雑感』 青空文庫
叢林は大地を肉体として、そこから迸出する鮮血である。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
……┌縦の関係――祖先――父母――遺伝、伝統└横の関係――兄弟――夫婦、友人――社会性┌短歌――外延的――迸出――詠嘆└俳句――内包的――沈潜―― 十二月廿日 雪――曇――雨。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
そこからは智的な熱情が、まるで羚羊のような敏しこさで迸出してくるのだけれども、それにはまた、彼女の精神世界の中にうずくまっているらしい、異様に病的な光もあった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
彼の結論の茫漠として、彼の鼻孔から迸出する朝日の煙のごとく、捕捉しがたきは、彼の議論における唯一の特色として記憶すべき事実である。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
そこから迸出る血が、黒ければ黒いほど気持がよくて、毒々しければ毒々しいほど愉快なのだ。
— 夢野久作 『探偵小説の正体』 青空文庫
蓋し女性は優美繊細なる者なり、而して詩家も亦た其思想に於ては優美繊細を常とする者なり、豪逸雄壮なる詩句を迸出する時に於ても、詩家は優美を旨とするものなるを以て、自ら女性に似たるところあるを免れず。
— 北村透谷 『厭世詩家と女性』 青空文庫