小資本
しょうしほん
名詞
標準
文例 · 用例
そしてその階級の低いものは、無智な貧しい人人と共に、裏街の家の小さな神棚や、農家の暗い祭壇や、僅かばかりの小資本で、ささやかな物を賣つて生計してゐるところの、町町の隅の駄菓子屋、飲食店、待合、藝者屋などの神棚で、いつも侘しげに生活してゐる。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
そしてその階級の低いものは、無智な貧しい人人と共に、裏街の家の小さな神棚や、農家の暗い祭壇や、僅かばかりの小資本で、ささやかな物を賣つて生計してゐるところの、町町の隅の駄菓子屋、飮食店、待合、藝者屋などの神棚で、いつも侘しげに生活してゐる。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
そして彼らはその考えをまとめることも、機会を捕えることもできないで「小資本を貯めるための、きわめて短い時間だけ、この危険な仕事によって金もうけをしよう」とした最初の考えは、そのまま彼らを怒濤の上で老年にしてしまい、磨滅した心棒にしてしまうのであった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
そのことは弱小資本主義にたいする、巨大な金融資本主義の侵略に過ぎなかったが、このことは銀本位の貨幣制度に永遠の絶望をあたえた。
— 吉行エイスケ 『新種族ノラ』 青空文庫
小資本は大資本に併合される。
— 黒島伝治 『反戦文学論』 青空文庫
俥夫三年の間にちびちび溜めて来たというものの、もとより小資本で、発行部数も僅か三百、初号から三号までは、無料で配り、四号目には、もう印刷屋への払いが出来なかった。
— 織田作之助 『勧善懲悪』 青空文庫
叔父は其の時分五六人の小資本家と合同して、小規模の麥酒釀造會社を經營中であツたが、綾さんは屡く叔父の家に來た。
— 三島霜川 『昔の女』 青空文庫
そして、そのあがり高はすべて海上から直ぐお暇してしまふので、樺太に落ちる金と云つては、ただ小資本家なる雜漁者の手から落ちるだけになつた。
— 斷橋 『泡鳴五部作』 青空文庫