亥の刻
いのこく
表現名詞
標準
hour of the Boar (around 10pm, 9-11pm, or 10pm to 12 midnight)
文例 · 用例
然るに其朝は前野の茶室で元気好く氏郷に会った政宗が、其夜の、しかも亥の刻、即ち十二時頃になって氏郷陣へ使者をよこした。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
第三夜の十四日の夜も亥の刻(午後十時)を過ぎた頃に、第四組が多々良川のほとりで初めて物の影を認めた。
— 岡本綺堂 『馬妖記』 青空文庫
で、何彼と支度をしてゐる中に、一刻も早く立たうと思つたのがついひまが取れて、酉の刻と言ふから、今の夕の六時にその鳴滝の山寺を立つて、夜遅く、亥の刻、つまり今の十時になつて、自分の宅に着いたことが書いてある。
— 田山録弥 『早春』 青空文庫
仮にそう定めて置いて、大塚から点燈頃にテクテク荒川くんだりまで出掛け、水の中で命のやりとりの大芝居をして帰ったのが亥の刻過ぎたというから十時である。
— 内田魯庵 『八犬伝談余』 青空文庫
彼は亥の刻になると外へ出て湖水縁の路を歩いた。
— 田中貢太郎 『ある神主の話』 青空文庫
この時代の習いで、亥の刻頃(午後十時)には広い屋形の内もみな寝静まって、庭の植え込みでは時どきに若葉のしずくのこぼれ落ちる音がきこえた。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
警固の人びとも草も木も息をひそめて、このすさまじい祈祷の結果をうかがっているらしかったが、夜の亥の刻(午後十時)を過ぎた頃に、梢をゆする夜風がひとしきり烈しく吹いて通ったかと思うと、今まで黙っていた古塚が地震ようにゆらゆらと揺るぎ出した。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
小源二の話によると、祈祷の夜の亥の刻ごろ、泰親がかの黒髪を火に燃やしたと恰もおなじ頃に、彼女はにわかにこの世を去ったというのであった。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
作例 · 標準
亥の刻、あたりはすっかり静まり返り、虫の音だけが響いていた。
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忍者は亥の刻を合図に、闇に紛れて城への潜入を開始した。
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「亥の刻までには必ず戻る」と彼は言い残して、夜の闇へと消えていった。
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