素封
そほう
名詞
標準
文例 · 用例
安都玉村の素封家、輿水善重氏の宅で小休みする。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
母の鏡子は土地の素封家の娘だった。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
相手は同じ近郊の素封家の息子で、覇気のある青年だった。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
F――学園の校長さんは地方の素封家出の文化人で、子供が多いところから一つ自分の手で思うような教育をしてみようと思い立ったのが始まりで、世間の子女たちも預る学校に発展さしたのですが、通って来る講師には著名の芸術家なども多く、男女共学なども行って一風変った学校でした。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
始めは見っともないというので川上のF――町の素封家のO――家に融通を頼んでいた。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
然も其の日は、午前の中、爪皮の高足駄、外套、雫の垂る蛇目傘、聞くも濡々としたありさまで、(まだ四十には間があるのに、壮くして世を辞した)香川と云ふ或素封家の婿であつた、此も一人の友人の、谷中天王寺に於ける其の葬を送つたのである。
— 泉鏡太郎 『銀鼎』 青空文庫
これはどう見ても弱冠の素封家の、あまやかされすぎた、給事らしい男であった。
— イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 『あいびき』 青空文庫
文化人気分の多い栗栖とは違って、言葉数も少なく、お世辞もなかったが、どこかのんびりした地方の素封の坊っちゃんらしい気分が、気に入っていた。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫