藩翰
はんかん
名詞
標準
文例 · 用例
宝永元年から天明五年に至る最古の一冊は題号がなく、引用書として『津軽一統志』、『津軽軍記』、『津陽開記』、『御系図三通』、『歴年|亀鑑』、『孝公行実』、『常福寺|由緒書』、『津梁院過去帳抄』、『伝聞雑録』、『東藩名数』、『高岡霊験記』、『諸書|案文』、『藩翰譜』が挙げてある。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
これは、死んでゆく父が娘の賢きを知り抜き、隠さずに宝を譲ったのを、娘がまさかの時に用いんとて、よく隠し置いたので、『藩翰譜』に出でた山内一豊の妻などと似た行いだ。
— 南方熊楠 『易の占いして金取り出だしたること』 青空文庫
白石の『藩翰譜』に、秋田氏暴虐なりしを述べて、その民の娘、年長じても歯を黒め得ざりしと言えるをさえ苛政の例に覚えしが、今はまた何でもなき郡吏や一村長の一存で、村民が神に詣で名を嬰児に命ずる式すら挙げ得ざるも酷し。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
始めて出られた時、自分が好む本だからと、新井白石の『藩翰譜』を持って来られて、右手を隠しに入れ、左の手に本を持って、生徒の机の間を歩きながら読上げられます。
— 小金井喜美子 『鴎外の思い出』 青空文庫
それは「藩翰譜」の正統くらいを持って、諸家を回訪して、その家系を正し、補修し、そして最も多くのばあい各位の希望する系図を希望に応じて作製するを業とする者である。
— 山本周五郎 『長屋天一坊』 青空文庫
新井白石の「藩翰譜」は、――信雄大イニ悦ビ、徳川殿ニ、コノ由ヲ告ゲ申サルルニモ及バズ、十一月十一日、筑前守トノ仲直リノ見参、事終リヌ。
— 第十一分冊 『新書太閤記』 青空文庫