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涕涙

ているい
名詞
1
標準
文例 · 用例
彼らが題せる一字一画は、号泣、涕涙、その他すべて自然の許す限りの排悶的手段を尽したる後なお飽く事を知らざる本能の要求に余儀なくせられたる結果であろう。
夏目漱石 倫敦塔 青空文庫
最早懐疑と凝視と涕涙と懐古とは赦されぬであろう。
横光利一 黙示のページ 青空文庫
しかるをなお強いて「戯れに」と題せざるべからざるもの、その裏面には実に万斛の涕涙を湛うるを見るなり。
正岡子規 曙覧の歌 青空文庫
これはじつに私には痛刻きわまりなき悲哀であり、苦痛であり、寂寞であり、涕涙であった。
倉田百三 愛と認識との出発 青空文庫
大師の同伴された、遣唐大使の藤原葛野麻呂の爲に開かれた、送別の宴の有樣も、葛野麻呂涕涙如雨、侍宴群臣無不流涕と傳へられてゐる(『日本紀略』前篇十三)。
桑原隲蔵 大師の入唐 青空文庫
毎晩、娘の部屋をひそかに訪問して、跪ずき、涕涙し、合掌して懇願していると消息通の噂になっていたほどだ。
その一 舞踏会殺人事件 明治開化 安吾捕物 青空文庫
わが猛勇に信を措き、衆を鼓舞して戰鬪に進むる彼は、ヘレネーの逃亡並びに涕涙の怨報へん情願は衆に優りて激しかり。
ILIAS イーリアス 青空文庫
*幼き少女其母の跡を逐ひ行き、急げるを妨げ袖を引きとめて其抱擁を乞ひ願ひ、願ひ成る迄涕涙の目もて見上ぐる如くなる―― 10パトロクロスよ、汝いま悲哀の涙留らず。
ILIAS イーリアス 青空文庫