背広姿
せびろすがた
名詞
標準
文例 · 用例
他は皆、生活に疲れた顔をした背広姿の三十前後の人たちである。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
そうでなければ、ごくじみな背広姿がよい。
— 燭をともして昼を継がむ。 『花燭』 青空文庫
そのころ庸三はふとした機会から、踊り場へ足踏みすることになり、そこで何かこだわりの多い羽織|袴の気取りもかなぐり棄てて、自由な背広姿になり、恋愛の疲れを癒すこともできた。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
しかしただ黙って自分の背広姿を打ち守るだけで、急に言葉を出す気色はなかった。
— 夏目漱石 『行人』 青空文庫
』と云はれて、新調の背広姿を見上げ見下しされたのは、実に一昨日の秋風すずろに蒼古の市に吹き渡る穏やかな黄昏時であつた。
— 石川啄木 『葬列』 青空文庫
――15―― 徳市は単身背広姿で星野家を訪れた。
— 夢野久作 『黒白ストーリー』 青空文庫
あとになって銀座へ出たら、その提灯行列のながれが、灯った提灯をふりかざしながら幾人も歩いていて、どれも背広姿の若い男たちであった。
— ――日本女性の覚悟―― 『祭日ならざる日々』 青空文庫
――男はまだ学生らしく、どこか寸詰りな背広姿で、始終白い歯を見せて笑つてゐた。
— 林芙美子 『瑪瑙盤』 青空文庫