赤埴
あかばね
名詞
標準
文例 · 用例
はた旅の夕まぐれ、栄えのこる雲の湿に、前世の亡き妻が墓の辺の赤埴おもひ、かくてまた我はきく追懐の色とにほひに、埋もれたる、はかりしれざる子の夢を、胎の叫を。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
石も少して赤埴土なり。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
凹巷等は此日|赤埴に宿し、八日|杉平に宿し、九日|鶴宿に宿し、十日に凹巷の桜葉館に著した。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
あの室生山の入り口、赤埴仏隆寺のひだる神の事は知らないで居たが、あれを読んで、自分一人思ひ合せる事がある。
— 折口信夫 『餓鬼阿弥蘇生譚』 青空文庫
もう、そうなるか』『なるらしい』 と、赤埴源蔵はつぶやいて、浅野家の供待小屋から腰を上げた。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
『赤埴じゃないか』 何処にいたのか、打つかるように駈けて来たのは、堀部安兵衛であった。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
堀部、赤埴の二人も、(どうか、間違いであるように) 眼に砂を入れて走った。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
浅野内匠頭儀、吉良上野介ヘ刃傷ニ及両人共|取糺中ニ付|諸供方騒動致ス間敷者也一番|早駕『や、やッ』 堀部と、赤埴の二人は、掲示の下に、べたっと、腰をぬかしてしまった。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫