覧
らん
名詞
標準
文例 · 用例
「まァ民さん、御覧なさい、入日の立派なこと」 民子はいつしか笊を下へ置き、両手を鼻の先に合せて太陽を拝んでいる。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
(万葉仮名として用いた漢字において、mで終る「南」「瞻」「覧」をナム(またはナミ)、セミ、ラムに宛て、kで終る「福」「莫」「作」「楽」を、フク、マク、サク、ラクに宛て、nで終る「散」「干」「郡」をサニ、カニ、クニに宛てたなどを見てもそう考えられる)。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
御覧ぜよ、奥方の御目には我れを憎しみ、殿をば嘲りの色の浮かび給ひしを」 女子は太息に胸の雲を消して、月もる窓を引たつれば、音に目さめて泣出る稚児を、「あはれ可愛し、いかなる夢をか見つる。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
殿も我が心を見給へ、我が良人も御覧ぜよ。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
神もおはしまさば我が家の軒に止まりて御覧ぜよ、仏もあらば我がこの手元に近よりても御覧ぜよ。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
諸君は音楽会の演奏を聴いた後で、直ちに美術展覧会に行き、あの静かな柔らかい落着いた光線や気分の中を、あちこちと鑑賞しつつ歩いた時、いかに音楽と美術とが、芸術の根本的立場に於て、正反対にまで両極していることを知ったであろう。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
そして美術の展覧会では、静寂として物音もなく、人々は意味深げに、鑑賞の智慧|聡い瞳を光らしている。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
小学校では、毎年創立記念日に学童の作品展覧会が催される。
— 中原中也 『詩と其の伝統』 青空文庫