継早
つぎはや
名詞
標準
文例 · 用例
矢継早の名人で、機関銃のように数百本の矢をまたたく間にひゅうひゅうと敵陣に射込み、しかも百発百中、というと講談のようになってしまうが、しかし源氏には、不思議なくらい弓馬の天才が続々とあらわれた事だけは本当である。
— 太宰治 『花吹雪』 青空文庫
」 次から次と矢継早に質問を発する。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
王さまも、王妃も、また家来の衆も、ひとしく王子の無事を喜び矢継早に、此の度の冒険に就いて質問を集中し、王子の背後に頸垂れて立っている異様に美しい娘こそ四年前、王子を救ってくれた恩人であるという事もやがて判明いたしましたので、城中の喜びも二倍になったわけでした。
— 太宰治 『ろまん燈籠』 青空文庫
この眩暈と、風邪と、も一つ、用達と云う断りが出る、と箱三の札は、裏返らないでも、電話口の女中が矢継早の弓弦を切って、断念めて降参する。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」 すぱすぱと二三服、さも旨そうに立続けに行者は、矢継早に乙矢を番えて、「――ございました。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
私の耳許からバンと烈しい銃声が起り、更にバン・バン・バンと矢継早に三つの銃声がそれに続いた。
— 中島敦 『虎狩』 青空文庫
勝平は、何うかして瑠璃子をたしなめようと思ひながらも、彼女の快活な言葉と、矢継早の微笑に、面と向ふと、彼は我にもあらず、凡ての言葉が咽喉のところに、からんでしまふやうに思つた。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
* 剛直漢|掃部頭井伊直弼は、安政五年四月、大老職に就くや、矢継早に、反動的な改革を強行して、勤皇の志士の憤激を買つた。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫