恤兵
じゅっぺい
名詞
標準
文例 · 用例
途上、小学生が恤兵献金の函を抱へて立つてゐる、私も心ばかり寄附する、自分を省みて恥ぢ入るばかりだつた。
— 昭和十四年 『旅日記』 青空文庫
勿論、その当時はそんなことを夢にも考えようはずもなく、殊に一種の戦争熱に浮かされて、女のわたくし共までが、やれ恤兵とか慰問とか夢中になって騒ぎ立てている時節でしたから、負傷の軍人を見舞のためにUの温泉場へ出かけて行くなどということを、むしろ喜んでいたくらいでした。
— 岡本綺堂 『鰻に呪われた男』 青空文庫
国防献金ももはや問題とならない(但し恤兵事業等は郷党の心からなる寄附金による事が望ましい)。
— 石原莞爾 『戦争史大観』 青空文庫
綾之助はこのおりこそと木戸銭がわりに手拭二筋ずつ客に持ってきてもらう演芸会を開き、二日間に二万本を集め得て恤兵部におくった。
— 長谷川時雨 『竹本綾之助』 青空文庫
赤十字社が主催する恤兵音楽会の御相談をしにウッド卿を訪ねておいでになっていたのですが、ウッド卿の私に対する批評を聴かれて、私に握手をして下さりながら、「あなたは、日本が生んだ最初の立派な音楽家です。
— 三浦環 『お蝶夫人』 青空文庫
この音楽会は前にも申上げましたように、赤十字社主催の恤兵音楽会ですので、キング・ジョージ五世とクイン・メリーを始めプリンスとプリンセス、それに大臣や政府の高官連、各国の大公使がおいでになって、ロンドン空前のお祭騒ぎ、二万三千名を入れる客席には聴衆がぎっしりつまっているという大変な盛況でした。
— 三浦環 『お蝶夫人』 青空文庫
提灯行列のためのみには君ことわり給ひつれど、その他のことはこの和泉の家の恤兵の百金にも当り候はずや。
— 与謝野晶子 『ひらきぶみ』 青空文庫
処で、昨年十二月以来「東京府立一中内愛国十銭会」という名義で、海軍省恤兵金係りへ国防資金が送られて来るそうだ。
— 戸坂潤 『社会時評』 青空文庫