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等し並み

ひとしなみ
形容動詞
1
標準
文例 · 用例
従って一般の読者は文学作品と言えば、ブルジョア作家のものも、プロレタリア作家と云われる人々のものも等し並みに、自分の主観的な嗜好に従ってただ読み過す状態に置かれている。
――文芸時評―― ヒューマニズムへの道 青空文庫
ましてかかる厳粛なるべき事柄を紅毛の痴戯の類と等し並みに検閲の鋏みの対象とすることは、まことに心ない至りと云わねばならぬ。
戸坂潤 世界の一環としての日本 青空文庫
兩個の地位は決してひとしなみに見らるべきものにあらずかし。
森鴎外 柵草紙の山房論文 青空文庫
海も爾もひとしなみ、不思議をつゝむ陰なりや。
上田敏 海潮音 青空文庫
「なるほど」と蔵人はそれを聞くと、穏かな微笑を浮かべたが、「しかし私から云う時は、謙信公も信玄公も、いずれもひとしなみの野蛮人だがな」三「まあお父様」 と驚いたように、横から声を筒抜かせたのは、美しい乙女の松虫で、「謙信様はわたしどもにとって、恩ある故主様ではございませんか。
国枝史郎 神州纐纈城 青空文庫
言葉をかえていえば、婦人たちは、読者として男とひとしなみであったことから、かえってはっきりと、主観的にすすんでいるつもりの自分たち女性が、歴史の大局から見ればいかにふかい渾沌のうちにつながれているかという自身の偽りない実状を会得する可能をもったのであった。
宮本百合子 婦人の読書 青空文庫
二人の武士にひとしなみに、冷淡至極にあつかわれたので、代官松はてれる以上に、怒りを胸へ燃やしたようであった。
国枝史郎 娘煙術師 青空文庫
そして、様々の文学現象が次々と現われて来るに跟いて動いて、そのような現象のおこる動機をひとしなみに社会的・文学的必然として尊重し、結果としては現実に対する自己欺瞞の意識や擬態を正当化するようになった。
宮本百合子 文学精神と批判精神 青空文庫