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蟀谷

蟀谷
名詞
1
標準
文例 · 用例
お国はその時、少し風邪の心地で、蟀谷のところに即効紙など貼って、取り散した風をしていた。
徳田秋声 新世帯 青空文庫
外眦が少し釣り上って、蟀谷のところに脈が打っていた。
徳田秋声 新世帯 青空文庫
その利鎌を今度は二た振り右と左で空に反す、その柄を両膝に確と立てると、張り肱の、何かピリピリした凄い蟀谷になる。
北原白秋 フレップ・トリップ 青空文庫
泣きごと言わずと前へ出いッ、潔よう前へ出いッ」 どうでも無礼討ちに成敗せねば、醜態を演じた己れ達の面目が立たぬと言わぬばかりに、蟀谷のあたりをぴくぴくさせて、プツリと鯉口切りながらにじり出たのを、片手にふわりふわりと長い釣の道具を打ち握ったままで、笑い笑い割って這入ったのはわが退屈男です。
三河に現れた退屈男 旗本退屈男 第五話 青空文庫
頭がくわつとなつたが、それが治まらないで、輕い頭痛と變つて、蟀谷が痛んだ。
木下杢太郎 少年の死 青空文庫
気のせいか、蟀谷もだんだん痛み出した。
白蝶怪 半七捕物帳 青空文庫
渠が、横山――左の蟀谷の上に二錢銅貨位な禿があつて、好んで新體詩の話などをする、二十五六のハイカラな調劑助手に強請つて、赤酒の一杯二杯を美味さうに飮んで居ると、屹度誰か醫者が來て、私室へ伴れて行つて酒を出す。
石川啄木 病院の窓 青空文庫
渠が、横山――左の蟀谷の上に二銭銅貨位な禿があつて、好んで新体詩の話などをする、二十五六のハイカラな調剤助手に強請つて、赤酒の一杯二杯を美味さうに飲んで居ると、屹度誰か医者が来て、私室へ伴れて行つて酒を出す。
石川啄木 病院の窓 青空文庫