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年の内

としのうち
名詞
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標準
文例 · 用例
僕は中学校を卒業するまでにも、四五年間のある体であるのに、民子は十七で今年の内にも縁談の話があって両親からそう言われれば、無造作に拒むことの出来ない身であるから、行末のことをいろいろ考えて見ると心配の多い訣である。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
さてこの物語の起った年は、師走から春の七草かけて、一たびも日金が颪さず、十四五年にも覚えぬという温暖さ、年の内に七分咲で、名所の梅は花盛り、紅梅もちらほら交って、何屋、何楼、娘ある温泉宿の蔵には、雛が吉野紙の被を透かして、あの、ぱっちりした目で、密と覗いても見そうな陽気。
泉鏡花 わか紫 青空文庫
十五歳にして学校の助教諭を托せられ、三円の給料を受けて子弟を訓導するの任に当り、日々勤務の傍ら、復習を名として、数十人の生徒を自宅に集め、学校の余科を教授して、生徒をして一年の内二階級の試験を受くることを得せしめしかば、大いに父兄の信頼を得て、一時はおさおさ公立学校を凌がんばかりの隆盛を致せり。
福田英子 妾の半生涯 青空文庫
そしてその条件は其翌年の内に一部を開墾するといふので道庁から役人がきてそれを検べ一定の年限がたてばその土地をたゞで呉れるといふことになつてゐたのであります。
有島武郎 農場開放顛末 青空文庫
野茨の花の開く數日間が一年の内に於て尤も爽快で且つ四圍が不安の念を起させない時期である。
長塚節 おふさ 青空文庫
年の内に長男が生れた。
森鴎外 伊沢蘭軒 青空文庫
たとひ影にしても、人の形を踏むといふことは遠慮しろといふ意味から、彼の伝説は生まれたらしいのであるが、後には踏む人の遠慮よりも踏まれる人の恐れとなつて、影を踏まれると運が悪くなるとか、寿命が縮むとか、甚だしきは三年の内に死ぬなどと云ふ者がある。
――「近代異妖編」 影を踏まれた女 青空文庫
それが果たして今年の内に出直して来た。
岡本綺堂 籠釣瓶 青空文庫