荒壁
あらかべ
名詞
標準
rough-coated wall
文例 · 用例
未だ荒壁が塗りかけになつて建具も張つてない家に無理無體に家財を持ち込んで、座敷の眞中に築いた夜具や箪笥の胸壁の中で飯を食つて居る若夫婦が目に付いたりした。
— 寺田寅彦 『寫生紀行』 青空文庫
紅殻が古びてい、荒壁の塀は崩れ、人びとはそのなかで古手拭のように無気力な生活をしているように思われた。
— 梶井基次郎 『ある心の風景』 青空文庫
まだ荒壁が塗りかけになって建て具も張ってない家に無理無体に家財を持ち込んで、座敷のまん中に築いた夜具や箪笥の胸壁の中で飯を食っている若夫婦が目についたりした。
— 寺田寅彦 『写生紀行』 青空文庫
と見れば、四方は荒壁なる五坪ばかりの土間の中に筵の上に載せられたるものあり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
耕作を忘れたか肥つた農夫よ田舍に飢饉は迫り 冬の農家の荒壁は凍つてしまつた。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
部屋は掘立小屋にも近く、荒壁や天井の木組がそのまゝ眼につくものゝ、風雪に堪えるためか頑丈な柱や板を使って、それが、幾十年かの榾の煙で黒光りに光っております。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
だから、牛肉でも、あの牛屋に吊したような赤と白茶の片脚だけのが、内地は百姓屋の軒や周囲の荒壁にぐるりと掛け連らねた唐辛子、唐黍、大根の如く、いや、それを十層倍にしたぐらいの大きさのものが、まるで牛肉の祭礼のようだといいと思えたものだ。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
松ヶ根の萩むら、孟宗の影の映った萱家の黄いろい荒壁、機の音、いかにも昔噺の中の鄙びた村の日ざかりであった。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
作例 · 標準
私は毎日荒壁について考えている。
荒壁という言葉は日本語で重要だ。
彼は荒壁の意味を理解している。
この文には荒壁が含まれている。