隠立
いんりつ
名詞
標準
文例 · 用例
あれほど可愛がられた一人の母に隠立てをする、何となく隔てを作って心のありたけを言い得ぬまでになっている。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
エ、有るなら有ると言ておしまい、隠立をすると却てお前の為にならないヨ」「またあんな事を言ッて……昨日あれ程そんな覚えは無いと言ッたのが母親さんには未だ解らないの、エ、まだ解らないの」「チョッ、また始まッた。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
」 彼が例の極めて慇懃な態度で頭を下げた時に、その微笑している顔には何か隠立てしているようなところがあったし、彼は今の言葉に何となく不可思議な意味を含ませたので、それが彼の甥の眼と耳とに強く響いた。
— 上巻 『二都物語』 青空文庫
11445えらい奴には世界が隠立はせぬ。
— FAUST. EINE TRAGODIE 『ファウスト』 青空文庫
蛇苺、芍藥、雪の下、もつと穩しい隱立よりも、おまへたちの方がわたしは好だ。
— 上田敏 『牧羊神』 青空文庫