世故
せいこ異読 せこ
名詞
標準
worldly affairs
文例 · 用例
世故に慣れているというまででなくても善良の老人は人に好い感じを持たせる、こういわれて悪い気はしない。
— 幸田露伴 『蘆声』 青空文庫
或は疑う、太祖の人情に通じ、世故に熟せる、まさに是の如きの詔を遺さゞるべし。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
丈夫づくりの薄禿の男ではあるが、その余念のない顔付はおだやかな波を額に湛えて、今は充分世故に長けた身のもはや何事にも軽々しくは動かされぬというようなありさまを見せている。
— 幸田露伴 『太郎坊』 青空文庫
◎野口君は予より年長でもあり、世故にも長けてゐた。
— 石川啄木 『悲しき思出』 青空文庫
男は世故に長けて來ると共に段々情愛を深めて行くものだが、今の四十以上の女は皆當り前のやうに男に對する心を全く子供に向けてしまう。
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
殉死を許した家臣の数が十八人になったとき、五十余年の久しい間治乱のうちに身を処して、人情|世故にあくまで通じていた忠利は病苦の中にも、つくづく自分の死と十八人の侍の死とについて考えた。
— 森鴎外 『阿部一族』 青空文庫
白い歯は見せないぞという気持ちが、世故に慣れて引き締まった小さな顔に気味悪いほど動いていた。
— 有島武郎 『親子』 青空文庫
世故に慣れきって、落ち付き払った中年の婦人が、心の底の動揺に刺激されてたくらみ出すと見える残虐な譎計は、年若い二人の急所をそろそろとうかがいよって、腸も通れと突き刺してくる。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
作例 · 標準
彼はまだ若いが、苦労を重ねてきたせいか世故に長けている。
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山奥で隠遁生活を送っている老人は、もはや世故には全く関心がないようだ。
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世故に疎い学者は、複雑な人間関係のしがらみに困惑していた。
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