滑っこい
すべっこい
形容詞
標準
文例 · 用例
「庭へ出たらどこか逃げ路が見付かるかも知れない」 お蝶は一生の勇気をふるい起して、息を殺しながらそろりそろりと滑っこい畳の上を忍んであるいた。
— 奥女中 『半七捕物帳』 青空文庫
おや、なんてえ滑っこい肌だろう」 この、疲れをしらない石人のような頑健さ。
— 天母峰 『人外魔境』 青空文庫
したがって彼女の言葉には滑っこい皮膚があるだけで、肝心の中味に血も肉も盛られていなかった。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
梨は一つずつ丁寧に二重の薄紙に包まれていたが、その紙をめくってみるとなかからは黄熟した肌の滑っこい、みずみずしい大粒の実が現われた。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
」 雨蛙は申訳がなさそうに滑っこい頭をかきました。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
眼ばかり開けて、舌ばかり出して、やけに滑っこい体をして、トグロばかり巻きたがって、薄っ穢い獣だよ!
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
滑っこい滑っこい、風呂に入る。
— 一九二八年(昭和三年) 『日記』 青空文庫
減ったペンと滑っこい紙の面とが軋みあって、キュ、キュと音をたてている。
— 宮本百合子 『乳房』 青空文庫