棲所
棲所
名詞
標準
文例 · 用例
ましてやアフリカ大陸の自然の棲所で撮った河馬の映画となれば猶更のことである。
— 寺田寅彦 『教育映画について』 青空文庫
野獣の写真 動物園で色々の野獣の形状だけは見る事が出来ても、その天然の棲所でどんな挙動をしているかという事は分らぬ。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
生物は、わずか数種の爬虫類がいるだけで、まったく、水掻きをつけ藻をかぶって現われる、水棲人の棲所というに適わしいのである。
— 水棲人 『人外魔境』 青空文庫
第二の神秘境は、エスキモー土人が狂気のように橇を駆ってゆくという、グリーンランドの中央部にある邪霊の棲所である。
— 有尾人 『人外魔境』 青空文庫
そのうえ、古くは山海経でいう一臂人の棲所。
— 有尾人 『人外魔境』 青空文庫
すべてを書き遺すにしてはあまりにこの思が多過ぎる…… さらば愛も、憎も、惱も、苦もよ、今暫くが間であらうほどに、私の胸が張り裂けるまでは、お前達の棲所として、私はこの心臓を提供する。
— 水野仙子 『響』 青空文庫
これでやうやく私は自分の棲所にかへつたやうに、安易な心持で朝々の蚊帳をぬけ出る事が出來ます。
— ――ある妻の手紙―― 『道』 青空文庫
旅人これを顧み応うれば、夜必ずその棲所に至り人を傷つく、土人枕の中に蜈蚣を養い、頭に当て臥し、声あるを覚ゆれば枕を啓くと蜈蚣|疾く蛇に走り懸り、その脳を啗うというは大眉唾物だ(『淵鑑類函』四三九)。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫