転心
てんしん
名詞
標準
文例 · 用例
ところが、伸子の身体は、その際に自然の法則を無視してしまって、かえって反対の方向に動いているのだよ」と伸子が腰を下していた廻転椅子を、クルッと仰向けにして、その廻転心棒を指差した。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
ディケンズはクリスマス・カロールの中で、主人公をクリスマスの晩に転心させ、俄に慈悲の心にめざめさせた。
— 宮本百合子 『バルザックについてのノート』 青空文庫
「転心の一句」こそ、行詰まりの打開策です。
— 高神覚昇 『般若心経講義』 青空文庫
この転心した新秩序の上に、解釈の形而上学の範疇星座が分布されるのである。
— ――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判 『日本イデオロギー論』 青空文庫
と云うことは、実在がその実在としての実在性を失って、意味の自発的な表出という全く別な秩序界に転心することを、吾々の認識論による意識の観念が許さないということだ。
— 戸坂潤 『認識論とは何か』 青空文庫
男に向つては豹の如く、女に向つては猫の如しのツヤの轉心ぶりに、周次は内心驚き呆れながら、女の種類も色々あるものだと思つた。
— 林芙美子 『多摩川』 青空文庫
女心は羽毛のやうだと云ふけれど、くみ子が結婚まぎはに、八田へ嫁いでいつたのも、このいまのツヤの轉心に、何か一脈通じたものがあるやうに思へた。
— 林芙美子 『多摩川』 青空文庫