屈者
屈者
名詞
標準
文例 · 用例
(間)女 (男の机の上をみながら)あの手帖あなたの日記ね――「退屈者の手帖」と書いてあるぢやないの?
— 中原中也 『夢』 青空文庫
必らずしも重箱の中へ羊羹をギチリと詰めるような、形式好き融通利かずの偏屈者では無かった。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
此宿の老爺は偏屈者だけれど、井戸水は素直だ、夜中二度も腹いつぱい飲んだ、蒲団短かく、夜は長く、腹いつぱい水飲んで来て寝ると前に書いたこともあつたが。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
遊園別府、貧乏人や偏屈者の来る場所ではない。
— 種田山頭火 『道中記』 青空文庫
けれど、私は御承知の偏屈者でありますから、衆とは大きに考量が違つてをります。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
変屈者、やかまし屋として、あちこちで邪魔にされた場合もあったようだが、私から見ると、ずいぶん面白いところのある、よいおばさんであった。
— 堺利彦 『私の母』 青空文庫
馬琴はただに他人ばかりでなく家族にさえも余り喜ばれなかった苛細冷酷な偏屈者であった。
— 内田魯庵 『八犬伝談余』 青空文庫
変屈者のA老人は唯一人|飄然と海岸へ来て、旅館に滞在中、固疾の心臓病が起って危篤に陥った。
— 松本泰 『緑衣の女』 青空文庫