移殖
いしょく
名詞
標準
文例 · 用例
牛の肉を食べるので、牛の細胞がいつしか人間に移殖され、牛のそれの如く舌がいくぶん長くなっているのである。
— 太宰治 『女人訓戒』 青空文庫
それが追々発達改善されて世界最精の香道となったが、調香の主な材料は始終外国品多かったは『薫集類抄』等で判り、いずれも日本へ移殖のならぬもの故やむをえぬ事ながら、鉄漿蓴汁など日本産の間に合う物は自国のを用い、追々は古方に見ぬ鯨糞などをも使う事を知り用いた。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
しかるに何の考えもなく神林を切り尽し、または移殖私占させおわりたるゆえ、この国ばかりに日が照らぬと憤りて去りて他邦へ行き、和歌山辺へ来たらず。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
そして今日の午後までに、昨日にしてみれば『明日の午後まで』に、真珠貝の移殖を行わなければならない。
— 大阪圭吉 『死の快走船』 青空文庫
京阪移殖の美人型が、漸く、江戸|根生の個性あるものとなったのだった。
— 長谷川時雨 『明治美人伝』 青空文庫
希世壮図何物遮、閣竜究尽水天涯、当年移殖文明種、今作西洲万朶花。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
氏はまずその鉄道の敷設をもって、露領中央アジアにおける殖産興業を啓発し、民衆の移殖を増進するのみならず、また軍事上極めて重要なりとするゆえんを説き、さらに一歩を進めていわく。
— 日野強 『新疆所感』 青空文庫
それによつて時代は時代を追ふて肉と霊との様々なる力を継承し移殖する。
— エレン・ケイ 『恋愛と道徳』 青空文庫