俳味
はいみ
名詞
標準
subdued taste
文例 · 用例
蝶の舌ゼンマイに似る暑さかな暖かや蕊に臘ぬる造り花臘梅や雪うち透かす枝のたけ「蝶の舌」の句は、ゼンマイに似ているといふ目付け所が山であり、比喩の奇警にして観察の細かいところに作者の味噌があるのだらうが、結果はそれだけの機智であつて、本質的に何の俳味も詩情もない、単なる才気だけの作品である。
— 俳人としての芥川龍之介と室生犀星 『小説家の俳句』 青空文庫
前出の「愁ひつつ丘に登れば花茨」や、この「小鳥来る」の句などは、日本の俳句の範疇している伝統的詩境、即ち俳人のいわゆる「俳味」とは別の情趣に属し、むしろ西欧詩のリリカルな詩情に類似している。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
今の若い時代の青年らに、蕪村が最も親しく理解しやすいのはこのためであるが、同時にまた一方で、伝統的の俳味を愛する俳人らから、ややもすれば蕪村が嫌われる所以でもある。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
且つ「蛙」といふ動物は、日本人にはとつては特殊の俳味的詩趣をもつて居り、夏の自然を背後に感じさせるやうな季節感をさへ有してゐるが、西洋人にとつては何等特殊の連想がなく、食用蛙の醜怪を思ひ出させる位のものであらう。
— 萩原朔太郎 『詩の翻訳について』 青空文庫
それは昔の人々が、しばしば「俳味」と称してゐる者の一種であるが、蕪村の俳句の場合に於て、それが特殊にまたリリカルであり、人の情緒に深く沁み込んでくる者を感じさせる。
— 萩原朔太郎 『冬の情緒』 青空文庫
俳句に於けるリリツクの本質は、その方面で「俳味」と言はれる情緒であるから、真の本質的な俳句であるほど、俳味が強く匂ひ出してるわけである。
— 萩原朔太郎 『冬の情緒』 青空文庫
俳味を無視した単なる写生や客観描写を、俳句の本質と思つてる人々ほど、詩を知らない似而非俳人はないであらう。
— 萩原朔太郎 『冬の情緒』 青空文庫
先ず第一に表紙の図案が綺麗で目新しく、俳味があってしかも古臭くないものであった。
— 寺田寅彦 『明治三十二年頃』 青空文庫
作例 · 標準
彼の書く文章には独特の俳味があり、何気ない日常の風景が趣深く描写されている。
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古びた庵で静かに茶を啜る生活には、世俗を離れた俳味が感じられる。
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洗練された都会的なセンスの中にも、日本伝統の俳味を取り入れたデザインが目を引く。
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