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名詞
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標準
文例 · 用例
馬返しより太郎坊まで、羊歯の小自由国や、苔の小王国を保護して、樅落葉松の純林、戟を揃へて隣々相立てるあり、これありて裾野の柔美式なる色相図に、剛健なる鉄銹色を点し、無敵の冬をも呵して、一路空山|料峭の天に向ひて立つものあるなり。
――明治三十六年八月七日御殿場口にて観察―― 霧の不二、月の不二 青空文庫
」 胸傍の小さな痣、この青い、そのお米の乳のあたりへ鋏が響きそうだったからである。
泉鏡花 縷紅新草 青空文庫
径の傍らには種々の実生や苔、羊歯の類がはえていた。
梶井基次郎 筧の話 青空文庫
冷たい楓の肌を見ていると、ひぜんのようについているの模様が美しく見えた。
梶井基次郎 城のある町にて 青空文庫
維新以前、会津侯が江戸登城の折は四千余尺のこの山道を通られたということで、路傍の叢中には一基の古碑、その面に「右塩原あら湯|道、左会津道」と刻されてあるのが苔に覆われて読める。
井沢衣水 本州横断 痛快徒歩旅行 青空文庫
よれよれの着物の襟を胸まではだけているので、苔のようにべったりと溜った垢がまる見えである。
織田作之助 四月馬鹿 青空文庫
楢、桂、山毛欅、樫、槻、大木大樹の其の齢幾干なるを知れないのが、苔、蘿蔦を、烏金に、青銅に、錬鉄に、刻んで掛け、鋳て絡うて、左右も、前後も、森は山を包み、山は巌を畳み、巌は渓流を穿ち来る。
泉鏡太郎 十和田湖 青空文庫
水に近き郷なるこれが枝にはの付き易くして、ひとしほのおもむきを増すも嬉し。
幸田露伴 花のいろ/\ 青空文庫