泥船
どろぶね
名詞
標準
文例 · 用例
」「あんな泥船ならペイドオフの方が、よっ程サッパリしてらあ。
— 葉山嘉樹 『浚渫船』 青空文庫
お剰にお前様、五位鷺の船頭ぢや……狸の拵へた泥船より、まだ/\危いのは知れた事を。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
散った花は風にふかれて、みぎわに朽ち沈んだ泥船に美しく散らばっていた。
— 寺田寅彦 『花物語』 青空文庫
砂利船、材木船、泥船などをひしひしと纜ってある蛤町の河岸を過ぎて、左手に黒い板囲い、※と大きく胡粉で書いた、中空に見上げるような物置の並んだ前を通って、蓬莱橋というのに懸った。
— 泉鏡花 『葛飾砂子』 青空文庫
阿媽が小舷から蟹ぢやあありませんが、釜を出して、斜かひに米を磨いでるわきを、あの位な娘が、袖なしの肌襦袢から、むつちりとした乳をのぞかせて、……それでも女氣でござんせうな、紅入模樣のめりんすを長めに腰へ卷いたなりで、その泥船、埃船を棹で突ツ張つてゐますから。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
二筋、三筋、流れを合せて、濤々たる水面を、幾艘、幾流、左右から寄せ合うて、五十傳馬船、百傳馬船、達磨、高瀬、埃船、泥船、釣船も遠く浮く。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
「まちがわねえでくれ、泥船じゃねえんだからな、ちゃんとした荷船でよ、あげ羽丸てえんだ。
— 本庄陸男 『白い壁』 青空文庫
「その代り、すばらしい拾いものをした」「む、なにを拾ったネ」「カフェ・ドラゴンと、泥船が沢山|舫っているお濠との間に、脊の高い日本風の家がある。
— 海野十三 『西湖の屍人』 青空文庫