略本
りゃくほん
名詞
標準
文例 · 用例
一面には略本三册を公刊しながら、他方には全本百卷は容易に公にしないと云つたことで、安藤がかうした考になつた理由は推測するに難からずである。
— 狩野亨吉 『安藤昌益』 青空文庫
それ故に彼は先づ遠※的なる略本を公刊して世人を啓發することに勉め、機熟するを見て全本を示さうとしたに違ひがない。
— 狩野亨吉 『安藤昌益』 青空文庫
これは多分宋の末頃までは滿足な本が殘つてゐたらしいが、既にその前、南宋の初めからその略本が行はれ、後になつてその略本だけが行はれて、足本はなくなつた。
— 内藤湖南 『支那目録學』 青空文庫
これが全く略本だけ殘り、もとの足本がなくなつたのは遺憾なことであるが、かくなつたのは、鄭樵の議論の影響で、書名のみが殘り本文は削られたのであらうといふ人もあるが、これは然らずといふ説の方が確かのやうである。
— 内藤湖南 『支那目録學』 青空文庫
崇文總目の如きも、この二書には單に略本の一卷本しか載つてゐないが、その後まで崇文總目の完本があつたことは事實である。
— 内藤湖南 『支那目録學』 青空文庫
それ故に自分などは、単なる完形保存の事業の他に、別に古書を現代人と繋ぎ付ける略本というものの流布を希望し、それを却って文庫の主要なる任務だとも思って居る。
— 柳田國男 『書物を愛する道』 青空文庫
勿論略本は一方に広本の確保と、十分に特色を発揮し得るだけの、責任ある妙録を条件とする。
— 柳田國男 『書物を愛する道』 青空文庫