軽雲
けいくも
名詞
標準
文例 · 用例
春になれば、上野公園の桜が万朶の花をひらいて、確かにくれないの軽雲の如く見えたが、しかし花の下には、きまってその選ばれた秀才たちの一団が寝そべって談笑しているので、自分はその桜花|爛漫を落ちついた気持で鑑賞することが出来なくなってしまうのである。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
軽雲一片月をかざしたのであたりはおぼろになった。
— 国木田独歩 『女難』 青空文庫
眸を轉じて望めば、火山の輪廓は一抹の輕雲の如く、美しき青海原の上に現れたり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
纔を解きてカプリに向ふ程に、天を覆ひたりし紗は次第に斷れて輕雲となり、大氣は見渡す限澄み透りて、水面には一波の起るをだに認めず。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫