幻辞.com

名詞
1
標準
文例 · 用例
縁側に吊した金魚鉢か何かのやうに、れ易く、庭の緑を映してゐるやうなものであつた。
中原中也 亡弟 青空文庫
林道開拓のため、途に当った古墳は、破されたのである。
小島烏水 梓川の上流 青空文庫
正しく風に動力を借りるオランダ低地の風車は美でもあり、経済的でもあったろうが、レムブラントの名手に油絵、またはエッチングに取り入れられたあの風車の風景も、近来は電気工業に取って代られ、引き合わないために、風車はだんだん取りたれ、オランダ風物の代表は、全く失われんとしているとも聞いた。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
新潟のまちは、新開地の感じでありましたが、けれども、ところどころに古い廃屋が、取すのも面倒といった工合いに置き残されていて、それを見ると、不思議に文化が感ぜられ、流石に明治初年に栄えた港だということが、私のような鈍感な旅行者にもわかるのです。
太宰治 みみずく通信 青空文庫
老人は、机のはしに、丸い爪を持った指の太い手をついて、急に座ると腰掛がれるかのように、腕に力を入れて、恐る/\静かに坐った。
黒島傳治 青空文庫
鞍はれ、六尺は折れてしまった。
黒島伝治 二銭銅貨 青空文庫
宅のすぐ向う側に風呂屋が建つことになって、昨日から取しが始まった。
寺田寅彦 青空文庫
それはとにかく、この老人はこの煙管と灰吹のおかげで、ついぞ家族を殴打したこともなく、また他の器物を打すこともなく温厚篤実な有徳の紳士として生涯を終ったようである。
寺田寅彦 喫煙四十年 青空文庫