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穏厚

おだやかあつ
名詞
1
標準
文例 · 用例
夫仁平は穏厚な生れ、かっと燃立つ胸なでおろし、それが素振は顔へも出さず…… いいか、悪いか、分りませんが、金沢ものだ、仕方がない、とにかく杯を合せましょう。
泉鏡花 雪柳 青空文庫
今はこれまで、暇をくれよう、どんな夫を持とうとも、そうなれば仔細はないと、穏厚人、出方がまことにおとなしい。
泉鏡花 雪柳 青空文庫
精神病理学者として令名あるフォウブス・ウィンスロウ博士は、往訪の新聞記者ガイ・ロウガン氏に語って、この殺人者は、個々のエロティックな発作的狂乱の場合以外、平常はごく普通の、穏厚な一市民であろうとの意見を述べている。
牧逸馬 女肉を料理する男 青空文庫
皆長い間信仰の友として親しく交際して来て、自分達のあいだに仲なか得難い、穏厚実直な人物であることを熟知しているからだった。
牧逸馬 双面獣 青空文庫
しかも、前から度びたび言う通り穏厚篤実をもって知られた、町の教会の長老なのだ――が、他方、動かす事の出来ない数々の証拠を思い合わせて、今更のように刑事達は、言い様のない恐怖に襲われた。
牧逸馬 双面獣 青空文庫
――実に穏厚な活躍であったことを突き留めたのは、この時訊問に当ったリチャアド・エリオット氏だった。
牧逸馬 双面獣 青空文庫
盜んだ品を翌る日返すのは、盜みを道樂にして居る人でなきア、私共を飜弄て居るに相違御座いません、何とかしてあの野郎をフン捕まへなきア、錢形の平次も世間へ顏向けがなりません」 平次は、日頃の穩厚な樣子にも似ず、ツイ拳固で膝を叩き乍ら、縁側の敷居際までにじり寄ります。
大盜懺悔 錢形平次捕物控 青空文庫