顫律
顫律
名詞
標準
文例 · 用例
そして、ジャズの音が激しく、光芒のなかで、歔欷くように、或は、猥雑な顫律を漾わせて、色欲のテープを、女郎ぐものように吐き出した。
— 吉行エイスケ 『東京ロマンティック恋愛記』 青空文庫
色彩のとどめを刺すべく古風な顫律はふかい所にめざめてゐる。
— 山村暮鳥 『聖三稜玻璃』 青空文庫
樹間をもる月影に照されたあさ子の、波打つ肉体の顫律を感じたとき、丹七は二十年の昔、河の中から引き上げられたあさ子の母の死骸に触れた時の感じを思い起してぎょっとした。
— 小酒井不木 『血の盃』 青空文庫
何と説明しがたい諧調で顫律するでしょう。
— 一九三九年(昭和十四年) 『獄中への手紙』 青空文庫
時とすると、月の光に欺かれて地から舞い上がった雲雀の顫律が、空の深みに聞えることもあった。
— JEAN CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
かれはその時総身に或るふしぎな顫律をかんじた。
— 室生犀星 『幻影の都市』 青空文庫