定型
ていけい
名詞
標準
文例 · 用例
それから又近頃は詩の定型無定型といふことが盛んに論じられてゐますが、私は定型にしろ無定型にしろ、面白ければいいといふ程の呑気なことしか考へてをりませんが、なんだか此の問題は具体的のやうでゐて、その実途方もなく遠大か何かのやうに受取れます。
— 中原中也 『近時詩壇寸感』 青空文庫
これらの邦劇映画を見て気のつくことは、第一に芝居の定型にとらわれ過ぎていることである、書き割りを背にして檜舞台を踏んでフートライトを前にして行なって始めて調和すべき演技を不了簡にもそのままに白日のもと大地の上に持ち出すからである。
— 寺田寅彦 『映画時代』 青空文庫
朝起きて顔を洗う金盥の置き方から、夜寝る時の寝衣の袖の通し方まで、無意識な定型を繰返している吾人の眼は、如何に或る意味で憐れな融通のきかきぬものであるかという事を知るための、一つの面白い、しかも極めて簡単な実験は、頭を倒にして股間から見馴れた平凡な景色を覗いて見る事である。
— 寺田寅彦 『津田青楓君の画と南画の芸術的価値』 青空文庫
我等の同胞の顔貌の中にはまたあらゆる人種の定型がそれぞれに標本的に洩れなく代表されているようである。
— 寺田寅彦 『短歌の詩形』 青空文庫
サンスクリトの詩句にも色々の定型があるようであるが、十六綴音を一句とするものの連続が甚だ多いらしい。
— 寺田寅彦 『短歌の詩形』 青空文庫
狡猾なる似而非予言者らは巧みにこの定型を応用する事を知っている。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
そのために生物はその祖先の定型を保存し、できそこないの妖怪はできない。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
しかるに実際にはこの特定型のものがm個あるとする(アソの場合では m = 4 )。
— 寺田寅彦 『火山の名について』 青空文庫