襤褸買い
ぼろがい
名詞
標準
文例 · 用例
「そうよ、ここが巴里よ」 滋子がうなずいてみせると、やすは、「へえ、これが巴里」 あきれたような顔で煤ぼけた駅前の広場を見まわしていると、|襤褸買いがオ・タビ・ラ・シフォニと触れながら横通りから出てきた。
— 久生十蘭 『ユモレスク』 青空文庫
建物の内庭に面した素子の室では西日はささないかわり、朝早くその内庭へ来るボロ買い男の調子のいいよび声や、内庭で自働オルガンをならしながら、窓々から小銭のなげられるのを待っている物乞いの唄、ラジオだかレコードだか小刻みなフランス風のダンス曲など、さまざまの響が窓からはい上って来た。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫
しかし眼力派なる者も挙句の果ては、争うべくもなくボロ買いへと落ち込み、怪しき茶碗に生涯のよろこびを托し、悪悟りにすましこんでいる例少なしとしない。
— 北大路魯山人 『茶美生活』 青空文庫
そうだろう、あの好色なお十夜が、お綱を見てから禁慾同然、ボロ買いをせず辻斬りも無駄にはせず、かつ、職業というものがない。
— 江戸の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫