抜くべからざる
ぬくべからざる
表現連体詞
標準
deep-rooted (suspicion, etc.)
文例 · 用例
なぜ、そのような冒険を思いついたか、或いは少年航空雑誌で何か読んで強烈な感激を味ったのか、はっきりしないが、とにかく、チベットへ行くのだという希望だけは牢固として抜くべからざるものがあった。
— 太宰治 『花火』 青空文庫
後に発達したる戯曲(巣林子以後の)に到りても、この不自然と過激とは抜くべからざる特性となりて、「菅原伝授手習鑑」に於て、「蝶花形」に於て、其他幾多の戯曲に於て、八九歳の少童が割腹したり、孝死するなどの事、戯曲に特有なるヱンサシアズムにてはあるまじき程の過激に流れたり。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
洵に八才の龍女がその功力を以て成仏せしというなる、法華経の何の巻かを、誦じては抜き、誦じては抜くにあらざれば、得て抜くべからざるものをや。
— 泉鏡花 『黒壁』 青空文庫
十年一日のごとく、文壇に覇王の位置を占めて、牢乎として抜くべからざる勢力のあつた硯友社が根柢からくつがへされて行つたのは、この文章の気分の変転が主なる原因であることは争はれぬ。
— 田山録弥 『明治文学の概観』 青空文庫
旦那の仰しやる通り日本のやうな猶だ男女七歳にして席を同ふせざる封建道徳の遺習が牢乎として抜くべからざる国で、若い女の許へ臆面もなくノコ/\サイ/\やつて来るはどうせ軽薄な小才子か、女の御用を勤めて嬉しがる腰抜の無気力漢だ。
— 内田魯庵 『犬物語』 青空文庫
二葉亭の文学方面をのみ知る人は政治を偏重する昔の士族気質から産出した気紛れのように思うが、決して※んな浮いた泡のような空想ではなかったので、牢乎として抜くべからざる多年の根強い根柢があったのだ。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
斯く詩人も亦た其の郷土の愛国者たるは、抜くべからざる天稟の存するあればなるべし。
— 北村透谷 『国民と思想』 青空文庫
もしこの惰性を構成する分子が猛烈であればあるほど、惰性その物も牢として動かすべからず抜くべからざる傾向を生ずるにきまっている。
— 夏目漱石 『趣味の遺伝』 青空文庫
作例 · 標準
彼に対する私の不信感は、もはや抜くべからざるものになっている。
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長年培われた習慣は、なかなか抜くべからざるものがある。
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その会社の古い体質は、抜くべからざる問題として指摘されていた。
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