老残
ろうざん
名詞
標準
文例 · 用例
荒苑蝉鳴又會秋 荒苑蝉鳴いて又秋に会ふ、老殘孤客倚門愁 老残の孤客門に倚りて愁ふ。
— 河上肇 『閉戸閑詠』 青空文庫
轉句借放翁詩三月十四日交情囘首薄如煙虚名泯去老殘身 虚名泯び去る老残の身、始見人情眞不眞 始めて人情の真と不真を見る。
— 河上肇 『閉戸閑詠』 青空文庫
壯圖如夢落花夕 壮図夢の如し落花の夕、老殘寒儒誰爲憐 老残の寒儒誰か為めに憐まん。
— 河上肇 『閉戸閑詠』 青空文庫
今日、老残の身をもてあましているのもいわれなきではない。
— 坂口安吾 『中庸』 青空文庫
たとえば、ミイラは老残の身であるから、羞恥もなく鼻持ちならぬ恋はできても、とても青年のころのような夢のような恋をささやくわけにはいかない。
— 坂口安吾 『我が人生観』 青空文庫
今更のように見巧者が老残の人に走って、宗十郎カブキを伝承するのも、故あることとなります。
— 木村荘八 『役者の顔』 青空文庫
それとてすでに数年前になるが、戦後新春、銀座街上でたまたま往年の宝塚スターに呼びかけられたが、老残衰貌、今も女優をしていながらも悪疾あるエキストラの夫をかかえて見るかげもなく、私は目をそらすのに骨を折った。
— 正岡容 『わが寄席青春録』 青空文庫
老残の身でその片隅に加わったのは僕一人だったが、そこには数十年の交情がそんなひけ目などを感じさせなかった。
— 平野零児 『吉川さんの声と眼』 青空文庫