斃
斃
名詞
標準
文例 · 用例
病室で死骸を前に置いて院長が死亡屆を書いてくれた時でも、院長は悔みや手傳ひに來た醫員達と熱心に彼れの妻の病氣の經過を論じ合つて、如何しても乾酪性肺炎の急激な場合と見るのが至當で、斃れたのは極度の衰弱に起因すると主張したが、彼れはどうしても腑に落ちなかつた。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
疾病に罹って弱い人は斃れて強い人は存るのであります。
— 信仰と樹木とをもって国を救いし話 『デンマルク国の話』 青空文庫
馬を斃し、たまさかには獅子と戦ってさえこれを征服するとかいうではないか。
— ―伊馬鵜平君に与える― 『畜犬談』 青空文庫
いまは、あのように街路で無心のふうを装い、とるに足らぬもののごとくみずから卑下して、芥箱を覗きまわったりなどしてみせているが、もともと馬を斃すほどの猛獣である。
— ―伊馬鵜平君に与える― 『畜犬談』 青空文庫
日に十里を楽々と走破しうる健脚を有し、獅子をも斃す白光鋭利の牙を持ちながら、懶惰無頼の腐りはてたいやしい根性をはばからず発揮し、一片の矜持なく、てもなく人間界に屈服し、隷属し、同族互いに敵視して、顔つきあわせると吠えあい、噛みあい、もって人間の御機嫌をとり結ぼうと努めている。
— ―伊馬鵜平君に与える― 『畜犬談』 青空文庫
ある者は、戦線で、弾丸にあたって斃れてしまった。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
あんまり馬を馳らせしゅぎたもんだから、半分は、馬が途中で斃れてしゅまったんだそうだ。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
馬を乗り斃してしまった連中は、跛を引きながら、脚をひきずっていた。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫