薀
薀
名詞
標準
文例 · 用例
……菜大根、茄子などは料理に醤油が費え、だという倹約で、葱、韮、大蒜、辣薤と申す五|薀の類を、空地中に、植え込んで、塩で弁ずるのでございまして。
— 泉鏡花 『眉かくしの霊』 青空文庫
客も多からず少からず、椅子、テーブルにまくばられて、ストーヴを止めたあとも人の薀気で程よく気温を室内に漂わしていた。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
雖然學士は尚だヘッケル氏の所謂「熟せる實」とならざる故を以て其の薀蓄の斷片零碎をすら世に發表せぬ。
— 三島霜川 『解剖室』 青空文庫
たゞ心細くなツて、莎薀してゐるばかりだ。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
松田道夫の父は美濃国恵那郡岩村の城主松平(大給)能登守|乗薀の医官で、江戸定府になつてゐた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
まだまだ多年の薀蓄、こんな創思はあり余って居るが、愚者道を聞いて大いにこれを笑う世の中、遺憾ながら筆を無駄使いせぬようこれ位でやめる。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
技育は多く専門の修行に属し、しかもその薀奥に至りては教育以上にあり。
— 正岡子規 『病牀譫語』 青空文庫
今この自分、六樹園石川雅望が、このありあまる国学の薀蓄を傾けて敵討物を書けばどんなに受けるかしれない。
— 林不忘 『仇討たれ戯作』 青空文庫