犬の遠吠え
いぬのとおぼえ
表現名詞
標準
backbiting of a coward
文例 · 用例
再び遠くから角笛の音、犬の遠吠えが聞えて来る。
— 寺田寅彦 『ある幻想曲の序』 青空文庫
下寺町から生国魂神社への坂道は人通りもなく、登って行く高下駄の音、犬の遠吠え……そんな夜更けの町の寂しさに、ふと郷愁を感じ、兄よ、わりゃ死んだナ。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
それ以外に奈良原翁の人格を云為するものは皆、痩犬の遠吠えに過ぎなかった事実を見ても、容易に想像出来るであろう。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
」 さう云はれて私は振り返つて見ると、酒倉から母家へつゞく灌木の繁みを縫つて、右方左方に提灯が飛び交ひ犬の遠吠えの声に入れまぢつて、たゞならぬ人々の仰天の叫びが吹雪となつて飛び散つてゐた。
— 牧野信一 『酒盗人』 青空文庫
犬の遠吠えがおそくまでも聞えてゐた。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
私が、斑犬の遠吠えを気にするのは外でもない。
— 宮本百合子 『吠える』 青空文庫
空地があるから、一町ばかりある距離を踰えて、斑犬の遠吠えが小窓の中へ聞えるらしい。
— 宮本百合子 『吠える』 青空文庫
もしそれこの合の手として犬の遠吠えを加うれば、冬の情景ここにつくされて、限りなき淋しさを味うことが出来る。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
作例 · 標準
本人の前では何も言えないくせに、陰で文句を言うなんて犬の遠吠えもいいところだ。
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負け惜しみを並べる彼の言葉は、まるで夜の闇に消えていく犬の遠吠えのようだった。
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「そんなのは負け犬の遠吠えだ」と一蹴され、彼は二の句が継げなくなった。
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