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手証

てしょう
名詞
1
標準
文例 · 用例
しかし手証を見ぬことだから、膝下へ呼び出して、長煙草で打擲いて、吐させる数ではなし、もともと念晴しだけのこと、縄着は邸内から出すまいという奥様の思召し、また爺さんの方でも、神業で、当人が分ってからが、表沙汰にはしてもらいたくないと、約束をしてかかった祈なんだそうだから僥倖さ。
泉鏡花 政談十二社 青空文庫
「確かな手証は見とどけませんけれど、合羽坂の質屋にいた時分から何か引っ懸りがあるように思われるので、あたしは何だか好い心持がしないもんですから、時々それをむずかしく云い出しますと、いいえ決してそんなことはないと、どこまでもしらを切っているんです」 千次郎は夜泊りなどをする様子はない。
帯取りの池 半七捕物帳 青空文庫
四十四 堅い口留をして、ふとそれ等の事をお鈴に洩したお島は、それを又お鈴から聞いて、宛然姦通の手証でも押えたように騒ぎたてる、隠居の病的な苛責からおゆうを庇護うことに骨がおれた。
徳田秋声 あらくれ 青空文庫
無論に冠蔵の仕業であろうとは思ったが、その手証を見とどけたわけでもないので、紋作はじっと堪えてなんにも云わなかった。
人形使い 半七捕物帳 青空文庫
列び茶屋のお里のことが胸いっぱいにつかえていながらも、確かな手証を見とどけていない悲しさには、さすがに正面から切り出すのを差し控えていなければならなかった。
岡本綺堂 両国の秋 青空文庫
事若し誤らば、この手証は生ながら葬らるべき罪を獲るに余有るものならずや。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
手証が上らないからさ。
夢野久作 空を飛ぶパラソル 青空文庫
「君の手で確かな手証を挙げてくれんか……エエ?
夢野久作 空を飛ぶパラソル 青空文庫