春の暮
はるのくれ
表現
標準
spring evening
文例 · 用例
春の暮家路に遠き人ばかり 薄暮は迫り、春の日は花に暮れようとするけれども、行路の人は三々五々、各自に何かのロマンチックな悩みを抱いて、家路に帰ろうともしないのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
鶯の声遠き日も暮れにけり 春の暮方の物音が、遠くの空から聴えて来るような感じがする。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
春雨や同車の君がさざめ言筋かひにふとん敷たり宵の春誰が為の低き枕ぞ春の暮春の夜に尊き御所を守る身かな 注意すべきは、これらの句(最後の一句は少し別の情趣であるが)を見ても解る如く、蕪村のエロチック・センチメントが、すべてみな主観の内景する表象であって、現実の恋愛実感でないことである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
春の思ひ出摘み溜めしれんげの華を 夕餉に帰る時刻となれば立迷ふ春の暮靄の 土の上に叩きつけいまひとたびは未練で眺め さりげなく手を拍きつつ路の上を走りてくれば (暮れのこる空よ!
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
これは春の暮、夏のはじめの頃に、夕方かけて、赤い山火事の火の燃える箱根あたりの山を眺めて、この小田原の町の子供たちが昔歌つた童謡の一つだと申します。
— 北原白秋 『とんぼの眼玉』 青空文庫
去年の春の暮、そこの妓館の一遊女、美にして利口なりしも、男に惚れてはのろき女性のならはし、男の心かはれるを見て、誓詞書かせんとて、紙とりゆきたるひまに、男逃げゆきぬ。
— 大町桂月 『常磐の山水』 青空文庫
明治三十四年の春の暮、學友羽衣、烏山二子と共に、この地に遊びぬ。
— 大町桂月 『北總の十六島』 青空文庫
然るに去年の暮、例の女丈夫は教師に雇われたとかで退塾してしまい、その手に属したお茶ッぴい連も一人去り二人|去して残少なになるにつけ、お勢も何となく我宿恋しく成ッたなれど、まさかそうとも言い難ねたか、漢学は荒方出来たと拵らえて、退塾して宿所へ帰ッたは今年の春の暮、桜の花の散る頃の事で。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
作例 · 標準
陽が傾き始め、茜色に染まる空が美しい「春の暮」に、家路を急いだ。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
卒業式が終わった後、生徒たちは名残惜しそうに「春の暮」の校庭を後にした。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
公園のベンチに座り、静かな「春の暮」の空気を吸い込んでいると、穏やかな気持ちになった。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
標準
end of spring
作例 · 標準
桜が散り始め、木々の緑が濃くなるにつれて、「春の暮」を感じさせる。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
夏の気配も近づき、日中の暖かさの中に、もうすぐ終わる「春の暮」の切なさが漂っていた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
「春の暮」には、まだ少し肌寒さが残るが、それもまた趣がある。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite