一夢
いちむ
名詞
標準
(a) dream
文例 · 用例
好事の人の就て汲む者の如き、終に往時の一夢たらんのみ。
— 幸田露伴 『水』 青空文庫
」 私は、いつか「環魚洞風景」といふ私小説の中で、唖子ノ一夢ヲ得ルガ如ク云々の諺を、そんな風に曲げて異人娘に答へた事がある。
— 牧野信一 『大正十五年の文壇及び劇団に就て語る』 青空文庫
唖子の妻 いつか予は汝に、自らを唖子に喩えて、その一夢云々と云つたことがあるが、同じ言葉を予は先日某誌に寄せた。
— 牧野信一 『消息抄(近頃書いた或る私の手紙から。)』 青空文庫
荘内に在るに及んで左右その人を非るを見、詩を賦して以て自ら悲しむ、三十一年一夢のごとく、醒め来る荘内破簾の中の句あり、聞く者これを怜れむ〉。
— 虎に関する史話と伝説民俗 『十二支考』 青空文庫
私が異數に婦女子の情味を知つたのも果敢ない少年の一夢に過ぎませんでした」 自分は佐治君に引き入れられるやうに感じた。
— 長塚節 『教師』 青空文庫
世界統一夢双六が一同の並むだ視線の前に朝日の如くにひろげられた。
— 牧野信一 『喜びと悲しみの熱涙』 青空文庫
これむかし落ちたる錢の痕の、年を經て大くなりたるなりといふに、覺えず噴飯せしは、早や已に十年前の一夢となりぬ。
— 大町桂月 『杉田の一夜』 青空文庫
唖子ノ一夢ヲ得ルガ如ク、只自ラ知ルヲ許ス――そんなウロ覚えの怪し気な古語を私は、偶然思ひ出したのだが、さう云つて馬鹿気た見得を切つた刹那に不図私は、妙な寂しさに駆られて、沈黙の洞窟に吸ひ込まれた。
— 牧野信一 『環魚洞風景』 青空文庫
作例 · 標準
例句1
例句2
例句3
例句4