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肉愛

にくあい
名詞
1
標準
文例 · 用例
靈愛なるものを假定して、それが神聖だと云へるなら、その一方に假定した肉愛も同じだと云へるわけで――フロツクコートの學者と宗教臭い俗物とは、こと更らに肉慾を否定するだらうが、存在する肉慾を否定――進んで云へば、斷滅――することが出來るなら、意志を斷滅すると同樣、世界の滅亡を意味するのである。
岩野泡鳴 神秘的半獸主義 青空文庫
いつとなく、儀右衛門の心を、あの聴くだに厭わしい、骨肉愛の悩みが蝕んでしまったからだ。
小栗虫太郎 人魚謎お岩殺し 青空文庫
純潔より恋愛に進む時に至道に叶へる順序あり、然れども始めより純潔なきの恋愛は、飄漾として浪に浮かるゝ肉愛なり、何の価直なく、何の美観なし。
北村透谷 処女の純潔を論ず 青空文庫
隋の朱粲や五代の趙思綰も亦人肉愛用者の中に加へねばなるまい。
桑原隲藏 支那人間に於ける食人肉の風習 青空文庫
朱粲が當初人肉に口を着けたのは、食糧の缺欠に由るが、彼が人肉を第一の美食と公言せる以上、彼は當然人肉愛用者と認めねばならぬ。
桑原隲藏 支那人間に於ける食人肉の風習 青空文庫
――これによると、河上博士という一人の左翼学生が弾圧と骨肉愛とで遂々「改悛」でもしたように見える。
戸坂潤 社会時評 青空文庫
肉愛をさへぎる白埴とか、ああ、また罪の芽やどす汚穢か、そは、――清きを、わかき熱きを盛りなす時、靈の手これ將た讃むる日の高杯。
蒲原有明 春鳥集 青空文庫
貧窮を極めた一家が、世間からひどく虐げられて来た時代に成長した骨肉愛の延長と、彼の人いちばい強い煩悩の一面とも観られるものであった。
吉川英治 源頼朝 青空文庫