濃染め
こぞめ
名詞
標準
文例 · 用例
そして北庭の的場の方へ走って行くその紫濃染めの小袴が遠くなるまで、ここの大人ふたりは、長い月日の感慨を胸の下地においてながめていた。
— 千早帖 『私本太平記』 青空文庫
※の濃染手拭、酒の名の「潮」の盃、引出よと祝ふとわけて、我が老舗酒はよろしと、新の桝酒に磨くと、春や春、造酒よ造酒よと、酒はかり、朱塗の樽の栓ぬき、神もきかせと箍たたき、たたきめぐれば、ほのぼの明けぬ。
— 北原白秋 『夢殿』 青空文庫
益満は、濃染の手拭で顔をかくし、富士春は、編笠をきて、益満が唄うと、女が弾く、流しの、流行唄唄いの姿であった。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
」わがをひやよをさなこよなれが目の さやけき色をたとふれば夕のそらの明星か たわゝに肥えし頬の色は濃染の梅に白ゆきの かゝれる色か唇の深紅の色は汝をば はてなくめづる此をばのま心にしも似たるかな かたことまじり※様と我が名よばるゝそのたびに あゝわがむねに浪ぞ立つ。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集拾遺』 青空文庫