一の松
いちのまつ
名詞
標準
closest pine-tree to a noh stage (of the three placed in front of the bridge walkway)
文例 · 用例
けれども、この日本三景の一の松島海岸で不思議に結ばれた孤独者同士の何の駈引も打算も無い謂わば頗る鷹揚な交友にも、時々へんな邪魔がはいった。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
ずっと以前に河原田翁の追善能で見た金剛某氏の仏倒れや一の松への宙返りをやって見たくて仕様がなかったが、翁が勝手に「小督」にきめてしまったので頗る悲観した。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
……一の松、二の松、三の松に、天人の幻が刻まれて、その影が板羽目に錦を映しつつ、藻抜けて消えたようなシテの手に、も一度肩を敲いて、お悦が拾って来た扇を渡したのが幕際であった。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
此処を伐られてはもう千本松原は日本一の松原ではなくなる、普通の平凡な一松原となり終るのである。
— 若山牧水 『沼津千本松原』 青空文庫
当日の客は幾人であつたか知らぬが、わたくしの知る限を以てすれば、柳湾を除非して只一の松崎|慊堂あるのみである。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
さうした木のある所が標山で、春日の一の松もこれで解決すべきものだらう位に漠然と考へてゐました。
— 折口信夫 『春日若宮御祭の研究』 青空文庫
春日の社の一の松で行はれる松の下の式も其なのです。
— 折口信夫 『能舞台の解説』 青空文庫
さうした事から又、橋掛りの一の松・二の松・三の松等に関しても、同様な事が言はれるのではないかと考へられますが、そこまで立ち入る事は些か危険です。
— 折口信夫 『能舞台の解説』 青空文庫
作例 · 標準
例句1
例句2
例句3
例句4