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魅魍

魅魍
名詞
1
標準
文例 · 用例
人は夜の夢の中で、樹人や火人であつた頃の、先祖の古い記憶を再現し、いつも我等の生命を脅かして居たところの、妖怪變化の恐ろしい姿や、得體の解らぬ怪獸やの、魑魅魍魎の大群に取り圍まれて魘されてゐる。
萩原朔太郎 青空文庫
たしかに彼等の幼兒は、夢の中で魑魅魍魎に取り圍まれ、人類の遠い先祖が經驗した、言説しがたく恐ろしいこと、危險なことを體驗し、生命の脅かされたスリルを味はつてゐるのである。
萩原朔太郎 青空文庫
その赤兒たちの夢の中には、いつも先祖の幽靈が現はれて、彼等のやがて成長し、やがて經驗するであらうところの、未知の魑魅魍魎について語るのである。
萩原朔太郎 宿命 青空文庫
まさかこことは想わざりし、老媼は恐怖の念に堪えず、魑魅魍魎隊をなして、前途に塞るとも覚しきに、慾にも一歩を移し得で、あわれ立竦になりける時、二点の蛍光|此方を見向き、一喝して、「何者ぞ。
泉鏡花 妖僧記 青空文庫
一体、悪魔を払う趣意だと云うが、どうやら夜陰のこの業体は、魑魅魍魎の類を、呼出し招き寄せるに髣髴として、実は、希有に、怪しく不気味なものである。
泉鏡花 茸の舞姫 青空文庫
罷違ふて旧道を皆歩行いても怪しうはあるまい、恁ういふ時候ぢや、狼の春でもなく、魑魅魍魎の汐さきでもない、まゝよ、と思ふて、見送ると早や親切な百姓の姿も見えぬ。
泉鏡太郎 高野聖 青空文庫
恰も何よ、それ畜生道の地獄の絵を、月夜に映したやうな怪の姿が板戸一|重、魑魅魍魎といふのであらうか、ざわ/\と木の葉が戦ぐ気色だつた。
泉鏡太郎 高野聖 青空文庫
あはれ其時那の婦人が、蟇に絡られたのも、猿に抱かれたのも、蝙蝠に吸はれたのも、夜中に※魅魍魎に魘はれたのも、思出して、私は犇々と胸に当つた、 なほ親仁のいふやう。
泉鏡太郎 高野聖 青空文庫