筆を執る
ふでをとる
表現動詞-五段-ラ行
標準
to pen
文例 · 用例
或る朝は偏頭痛を感じて筆を執る氣力もなく、苛苛しい時を過した。
— 南部修太郎 『處女作の思ひ出』 青空文庫
そうしてこの紹介のごときものに筆を執る機会は生涯来なかったであろう。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
それはとにかく、以上のような経歴をもつ一私人が「文学」と「科学」とを対立させてながめる時に浮かんでくるいろいろな感想をここに有りのままに記録して本講座の読者にささげるということは、全く無意味のわざでもあるまいと考えたので、編集者の勧誘に甘えてここにつたない筆を執ることにした次第である。
— 寺田寅彦 『科学と文学』 青空文庫
私たち筆を執る職のものに、籾と土地と肥料とを与えられて、作って見ろと言われても、とても専門の農業家のように作れるものではありません。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
今初めてお目にかかる景色でもないが、とにかくに筆を執るに当って、その実地を一度見たいというような考えで、わざわざここまで足を運んだのである。
— 岡本綺堂 『一日一筆』 青空文庫
さればと云って、既に何十頁と事が極ってる上に、頭数を揃える方が便利だと云う訳であって見れば、たとい具眼者が屑屋だろうが経師屋だろうが相手を択んで筆を執るなんて贅沢の云われた家業じゃない。
— 夏目漱石 『元日』 青空文庫
酒呑が酒を解する如く、筆を執る人が万年筆を解しなければ済まない時期が来るのはもう遠い事ではなかろうと思う。
— 夏目漱石 『余と万年筆』 青空文庫
評論の筆を執るものが、一々それを熟読する機会を失った。
— 夏目漱石 『長塚節氏の小説「土」』 青空文庫
作例 · 標準
恩師への感謝の気持ちを伝えるため、久しぶりに便箋に向かって筆を執った。
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地域が抱える問題を広く世の中に訴えかけるべく、彼は新聞の投書欄に向けて筆を執った。
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亡き友の追悼文を依頼され、悲しみを堪えながら静かに筆を執る。
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